『現実の世界で赤い実を』

 

都会の真ん中でビルをも凌ぐ巨大な蛇が、赤いリンゴを咥えこちらをジッと見ていた。

その光景が僕には夢だとすぐに分かったが、あえてその夢の続きを堪能する事にする。

その蛇は魅力的にその咥えた赤い実をこちらに差し出しこう言った。

 

「常識を飛び出せ!」

 

その言葉は僕の心に鋭く切り込み瞬間深く刺さった。

そしてその鋭い言葉と同時に、巨大な蛇は僕の目の前から姿を消したのだ。

 

...。

 

蛇がいた風景はそのまま僕の部屋の天井へと変わっていた。

なるほどやはり夢だったか。

現実の世界としてベッドで目を覚ました僕は、いつもの体のけだるさに耐えなが

らスマホに手を伸ばし、いつもの日課である更新されたSNSを一通り見流した。

 

...。

 

??

 

親指のスクロールが突如止まる。

そこには今まさに見た夢の風景そのままのような蛇が、こちらを睨むデザインとして画面の中に映っていた。

僕の呼吸が一瞬止まった。

そしてその後の高鳴る鼓動を整えながら、その蛇の情報と思われる記事をゆっくりと読み始める。

ふむふむなるほど、どうやらheavy.というブランドから新しいTシャツが発売するという。

あの風景がそのままデザイン化したようなその物は、どうやら現実の世界でTシャツになっているらしい。

 

...。

 

!!

 

なるほど、このTシャツを着ろって事だな...。

嘘のような話だが、僕はその時本気で、そして直感的にそう思ったのだ。

 

「このTシャツを着たら何かが変わる!」

 

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